ヨーロッパ証券市場当局 (ESMA)は Danske Bank、Nordea Bank、SEB、Svenska Handelsbanken、Swedbankにそれぞれ495,000ユーロの罰金を科しCRAR (Credit Rating Agency Regulation)違反に対し5件の公示を発表した。
ESMAは5つの銀行が承認を得ずに信用格付を発行したとしてCRARを侵害したという事実を発見した。
2011年6月から2016年8月まで5つの銀行は顧客に信用調査を実施し、SEBは2018年5月まで信用調査を継続し行った。この信用調査には、銀行がシャドーレーティングだと描写した内容も含まれていた。これらの報告書は様々な機関及び金融商品と関連するものであり、ESMAがCRARで提供する信用格付けの定義に沿った意見を含んでいる。しかしどの銀行も格付けを発行するために必要なESMAの推薦を獲得することができなかった為、今回のような行為は事前承認を要求することになる。
個別の罰金は銀行が6ヶ月以上侵害したという加重要因も検討されたが、似たような侵害行為が今後は行われないように各銀行が自主的に措置を取るといった緩和要因を考慮することとなった。
無許可の信用格付け
CRARによると、信用格付けを発行するときESMAは格付けが独立的かつ客観的で適切な品質を確保すること、及び格付け評価機関(CRA)がすべてのEU諸国で同一の規則で監督を受けるようにすることを保証しなければならないという。企業がEUでCRAに登録するために必要な組織上の要件を満たし、特にガバナンス、利益相反、内部統一、評価プロセス、企業活動等に関する適切な安全保護策が求められる。企業が格付けを発行する前に登録申請を怠ったことはCRARに対する侵害に値する。
5つの銀行のうち、いずれもCRAに登録していないだけでなく申請すら行っていなかった。現在ESMAがEU内で信用格付けを発行しようと承認した27のCRAが存在する。
控訴権
先に言及した5つの銀行はこの決定をヨーロッパ監督当局の控訴審査理事会に控訴することができる。こういった控訴はCRARによって決定申請を停止することはできるが、罰金を停止することはできない。